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整理収納アドバイザー/お部屋と心のカウンセラー 中山真由美(なかやままゆみ)
日本テレビの「深イイ話」やNHK「あさイチ」にも出演した、今注目の整理収納アドバイザー。その他テレビ・雑誌にも多数取り上げられ、収納セミナーの講師やマンションの間取り提案・監修までもを行う収納のプロ。整理収納のプロ 中山真由美の片付け・整理・収納特集
「昔は綺麗好きだったのに、今はモノだらけで足の踏み場もない」と、お子様から実家の片づけの依頼が増えました。中には、自分で実家を片づけようとしたものの親御さんとケンカになってしまったという方も。 実は私たちプロでも、自分の親の家のお片付けはとても難しいのです。親子だと遠慮がないので、ついきついことを言ってしまいがちです。親御さんも、散らかそうと思ってそうなっているわけではないので、お子さんのストレートな言葉に傷ついて、頑なになってしまうのです。だからこそ私たちプロを間に入れていただき、親御さんの気持ちをじっくり聞き、納得していただくのが、一番スムーズなお片付けへの近道になります。
どうして家は散らかってしまったのでしょう? お片づけって、気力(やる気)と判断力と体力が揃わないと、なかなか取り組めないものです。年を重ねると気力と体力が低下しますし、思い出が詰まったものは年々増えるので、どれを処分したらいいかの判断も鈍りがちになります。 そこからモノが増える→捨てられない・戻せない→さらに増える、という負のスパイラルに陥ってしまうのです。 でも、年を重ねた分だけ思い出やそれにまつわる品が増えるのは当たり前。私も、ご年配のお客様に「あなたも70になったらわかる。ガラクタに見えても全部大切なものなの」と言われて、改めてそのことに気付いたのです。 それ以来、お子さんから依頼を頂いた時も、まずは親の話をじっくり聞き、納得していただいてから作業を始めるようにしています。最初に少し時間はかかりますが、そのほうがとてもスムーズにお片付けが進むんです。
ではここで、お子さんがつい言いがちなNGワードと、それをポジティブに言い換えたポジティブワードをご紹介します。 ×「こんなものいつ使うの?」否定から入らず用途を尋ねます。→◎「これは何に使うモノ?」思い当たらなければ処分可能に。 ×「モノが多すぎ!」捨てる前提で言うと親は身構えてしまいます。→◎「いつも使っているものがわからなくなるから、頻度でわけようね」 ×「汚いなー!」古いモノ、汚れているモノは過去のものだということがわかってもらえるよう→◎「これはいつ頃使いたい?」 ×「こんなに散らかして…早く片づけて!」責める言葉は最もNGです。→◎「モノが取り出しやすくなると、生活が楽になるね」 文字にしてみると、ご自分が言われてもいやだな…と思うような言い方ですよね。物は言いようなのです。気を付けましょう。
沢山ストックがあるモノや、汚れているモノ、本当に使わないモノは処分が必要です。でもいきなり「汚れているから」「古いから捨てよう」と、周りが何を捨てるかを決めるのはNG。 まずはモノを出せるスペースを確保し、入口に近いところから全部出していきます。そして出しながら種類ごとにまとめていきましょう。 たとえばキッチン。消費期限が切れているモノや、大量の割り箸などのストック類が出てきても「もったいない」と捨てるのをためらわれる方も多いです。 ですが先ほどのポジティブワード「これはいつ頃使いたいですか?」と確認していくと、「もう使わないね」と処分をする気持ちに切り替わっていきます。 ここで使わないものは、1:処分する。2:人にあげたりリサイクルする。3:思い出のものなのでとっておく、の3つに分けます。
次は、残すもののグルーピングとゾーニングです。グルーピングは、薬と血圧計と体温計のように、一緒に使うモノをひとまとめにしておくこと。ゾーニングは用途別にモノをしまうということです。たとえばいつもキッチンで薬を飲んでいるのなら、今までリビングに置いていた薬類をキッチンに移動すれば、飲み忘れも無く、さっともとに戻せるので、簡単です。電話のそばにメモやペンをまとめておけば、通話中にあわてて探すこともなくなりますね。
しまう場所も、よく使うモノは背伸びしたり屈んだりしなくても、すぐに手が届く場所=ゴールデンゾーンにまとめるようにしましょう。 洋服も、ゴールデンゾーンの引き出しにメインの服を集中させると、着るときも、洗濯した服を戻す時も、とても楽になります。
すぐ見つかり、すぐ使えて、すぐ戻せる。そういう収納の仕方にすることで、衰えた気力や体力をサポートできるので、以前のようにすっきり暮らせるようになります。 また私は通常なら、あまり使わないものは目線より高い位置に収納することをおすすめしています。ですがご年配の方にはおすすめしません。これは脚立にのぼってモノを取るという動作が危険だからです。 そこに収納スペースがあったとしても収納しない。手が楽に届く範囲に、よく使うモノだけを収納する。ご年配の方の家では、安全に出し入れできるというのが大事なポイントになります。
わかりやすく収納しても、収納場所は複数ありますし、しまった場所を忘れてしまうこともありますよね。そんな時に備えて作ったのが収納マップです。押し入れやクローゼットのわかりやすい場所に、中に何が入っているかをメモしておくのです。 箇条書きではあまり意味がありません。収納されている状態でどれが何かをわかるように地図のように描くのがコツです。
ストック類や傷んだ食べ物などは処分できますが、思い出の品はなかなか処分が難しいです。今使わないとはいっても、今までの思い出が詰まっているのですから、無理に捨てる必要はありません。いつも使うキッチンやリビング、寝室以外に空いているお部屋(独立したお子さんの部屋など)があれば、いっそそこを思い出の品の部屋にしてもよいのです。 そういう余裕がない場合は、トランクルームなど家の外での保管を考えましょう。毎日見るものではないですし、古いものなどは、空調や湿度管理が行き届いたトランクルームの方が状態良く管理できるということもあります。ですが年に一度は必ず確認をして、キープするか処分するかの判断が必要です。
親御さんの家をいっしょに片づける時、お子さんに忘れずにいていただきたいのは年を重ねるほどモノを捨てるのには勇気が要るし、判断力も鈍ってしまうということ。床一杯にモノがある状態はもちろん危険ですが、大事なものも全部捨ててしまったら、いくらすっきりして安全な家になったとしても、親御さんは幸せではないのです。 捨て損ねていたものは捨て、毎日使うモノを使いやすく戻しやすく収納した家ならば、親御さんは第2の人生を楽しむことができます。ぜひ親御さんの気持ちになって、そういう家にするお手伝いをしてあげてくださいね。
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